プロジェクトの特徴は、他社を巻き込んでいるところにある。2016年4~12月には、同社の呼びかけに応えた31社で「未来の働き方トライアル」を実施した。

 各社が、在宅勤務、会議の効率化、退社時間計画の3つに取り組み、今年3月にはその結果をまとめた冊子「働き方改革推進ガイド」を作成した。冊子を自社イベントで無償配布した取り組みなどが認知されたことが、今回のランキングにつながったとみられる。

 グーグルが働き方改革を進める狙いは、自社の業務効率化と、同社が提供するIT(情報技術)ツールの利用促進にある。スケジュール管理の「カレンダー」、ビデオ会議の「ハングアウト」、ファイル共有の「ドライブ」などだ。ただ、トライアルではグーグルのツールを使ってもらうことにはこだわらなかったという。ブランドマーケティングマネージャーの山本裕介氏は、「働き方改革はグーグルが社会課題に取り組む姿勢をアピールする絶好の機会。企業ブランドの向上につなげたい」と話す。

女性活躍の「先駆者」、資生堂に高評価

 7位にランクインした資生堂は、女性活躍の取り組みが評価された。項目別では、「女性・障害者・LGBT(性的少数者)が働きやすい仕組みを作っている」「女性が幹部に登用されている」で1位だった。

女性活躍の取り組みで第一線を走る資生堂

 資生堂の従業員は2万3200人で、その8割が女性である。1990年に育児休業制度を導入した。その後、短時間勤務制度や、事業所内保育施設の設置、男性向けの短期育児休業制度などを充実させてきた。

 女性の管理職を2018年までに30%にする目標を定めていたが、それを前倒しで達成した。2020年までに40%にする目標に引き上げ、将来は男女同率を目指すという。

 同社の取り組みが広く知られるようになったのは、2014年に実施した制度運用の見直しがきっかけだ。短時間勤務制度を利用する育児期間中の社員にも、遅番や土日勤務に入ってもらうようにした。この方針転換は、「資生堂ショック」として大きな話題となった。

 背景には、制度利用者が増えるにつれ、独身者など一部の社員に業務が集中し、不満の声が上がるようになっていたことがある。そこで同社は、「女性に優しい会社」という評判からの脱却を決意する。「育児・介護をしながらキャリアアップできる会社」を新たな目標に設定した。

 上司が育児期間の社員と面談する際には、会社の期待やキャリアアップの方向性を伝え、一人ひとりの事情に合わせた働き方を確認するようにした。サステナビリティ戦略部の家田えり子グループマネージャーは、「社内には制度を使って仕事と育児・介護を両立する風土がある。自分の部下も制度を利用しており、一人ひとりの育児環境やキャリアを考えて面談している」と話す。

 資生堂の取り組みは先駆的な事例として今も注目されており、これが評価につながっている。