130兆円を運用する世界最大の機関投資家、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は7月3日、「環境・社会・ガバナンス」(ESG)に積極的に取り組む日本企業を構成銘柄とする新しいESGインデックス(株式指数)を発表し、同インデックスを用いた運用を既に1兆円規模で開始したと公表した。

 GPIFが「ESG投資」を行うのは初めて。これまでは企業との対話(エンゲージメント)の際にESGに配慮するよう働き掛けてきたが、今回ついに企業を選んで投資する真の「ESG投資」に乗り出した。

総合的な面と女性活躍を評価

 活用したESGインデックスは3つ。中長期的なリスクを低減し、リターンを増大できるインデックスを昨年募集し、14社から27のインデックスの応募があった。ここから3つのインデックスを選んだ。企業のESGの取り組みを総合的に評価する「FTSE Blossom Japan Index」「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」 そして女性活躍に取り組む企業を評価する「MSCI日本株女性活躍指数」である。

 GPIFは130兆円のうち、国内株式に約30兆円を投資している。うち25兆円をパッシブ運用してきた。これまでは6つのインデックスを用いて投資してきたが、いずれもESGに特化したインデックスではなかった。今回、ここに3つのESGインデックスを追加した。ESGインデックスを用いた投資は1兆円から始め、今後拡大していく。3つのESGインデックスの構成銘柄は360社程度である。

都合悪いデータを隠すと評価が落ちる

 FTSE Blossom Japan Indexは、ESGインデックスとして有名な「FTSE4Good Japan Index」と同じ評価手法を使って日本企業を5段階で格付けし、業種によって重み付けに偏りがないようにしたインデックス。タバコなどの特定業種を除外せず、「そうした業種もESGの取り組みがよければ採用した」(GPIF担当者)という。151銘柄で構成されている。

 MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数は、MSCIジャパンESGインデックスという既存のESGインデックスを活用し、業種ごとにESGの評価が高い企業を上位半分選んで組み入れたインデックス。251銘柄で構成されている。