「省エネ」が死語になる?

 AIによって環境に関わる仕事はどのように変わるのか。

 AIと比べて生産性が低くコストが高い仕事は、AIに取って代わられるだろう。シタラ興産が導入した廃棄物の選別ロボットがその典型例だ。人間の手選別よりAIロボットの方が圧倒的に生産性が高い。廃棄物の選別は、粉塵のなか長時間立ったまま作業を繰り返す過酷な仕事でもある。こうした人間にとって過酷な仕事からAIに代わっていく。

 大量の情報を分析して精度の良い結論を導くのは、人間には限界がある。日本気象協会のAIを活用した商品需要予測サービスのように、これまで人間の勘や経験に頼っていた仕事は、AIが活躍の幅を広げていくだろう。

 人間による地道な努力が欠かせない省エネ活動なども、この先AIの役割になるかもしれない。「こまめな消灯」や「空調の適正温度」といった無駄取り活動の推進は、省エネ活動の中心だ。ただ、人間任せの活動には限界がある。AI技術の進展を見極めながら、AIにどのような仕事を任せられるかを検討する時期に来ている。

 一方で、企業でAIやロボットを導入したり活用したりするための仕事は増えていく。人間が、AIやロボットとうまく協調する職場を担う人材が新たに必要となる。国内で進行する人口減少に対応して、AIを雇用の補完として使う企業も増えるだろう。

 環境、資源、エネルギー問題といった社会的課題を解決する技術として、「グリーンAI」が欠かせないツールとなりそうだ。