GEは街灯に様々なセンサーを搭載し、省エネから交通渋滞の解消、防犯といったサービスに役立てる

人を介さずに3000台の照明器具の中から点灯しなくなった照明器具を特定できるのは便利ですね。実際にどの程度の効果が出ているのですか。

木村:2015年2月から運用を開始し、1年間で電気代と補習費合わせて約35万ドルを削減できました。

 電気代や補修費の削減だけにとどまりません。GEは、街灯を通して街全体の経済性を高めようとしています。世界では大都市に人口が集中する傾向にあります。交通渋滞や大気汚染といった課題が深刻化する中、都市であれば当たり前に設置されている街灯が課題解決に重要な役割を果たせると考えています。

空いている駐車場へ誘導

 将来的には照明器具にカメラを搭載する予定です。映像から交通状況を把握することで、渋滞の解消に役立てられます。サンディエゴで発生する渋滞の約3割は、駐車場を探しているクルマが要因だといわれています。例えば、カメラの映像から渋滞が発生しそうだと判断した場合、時間貸し駐車場の運営会社が空いている駐車場を運転車に知らせて誘導すれば渋滞を軽減できるでしょう。

渋滞が解消されて人がもっとスムーズに移動できるようになれば、街で買い物をしたり、食事をしたりする時間が増えて、大きな経済効果を期待できそうです。

木村: 欧州で渋滞が激しい都市では、人口1人当たり年間63時間も損失しているという報告もあります。2030年には、英国、フランス、ドイツ、米国の4カ国の渋滞による損失額は現在と比べて約5割増えるとも言われています。日本も例外ではありません。国土交通省によれば、渋滞による損失は国民1人当たり年間約30時間で、金額に換算すると国全体で約9.5兆円にも上ります。