2020年は節目の年になる

 仮に米国が離脱して発効が遅れると、今後予定される協定の詳細を詰める交渉にも悪影響を及ぼしかねない。協定の実効性を高める仕組みの1つである、各国の取り組み状況の透明性を強めるための様式など、COP22以降の交渉で決める重要事項も多い。米国が発効前に離脱した場合、批准を遅らせることで、協定の発効を遅らせて、今後の詳細設計に関する交渉で強い立場に立とうとする国やグループが登場するかもしれない。

2020年は節目の年になる

 COP21では、現在2030年目標を掲げる国も2020年に目標を再提出することになった。その際、同じ目標を維持してもいいし、目標を見直してもいい。また、2020年には今世紀半ばに向けた「長期戦略」の提出も控えている。

 日本は、東京五輪が開催される2020年に、2030年目標を再提出することになる。今年の大統領選の結果次第で、2020年は昨年と同等、あるいはそれ以上に、温暖化対策への国際的な関心が高まるかもしれない。そうした可能性も念頭に、2020年への備えを進める必要がある。

 それには2030年に2013年比で26%削減する目標の達成に向けて着実に取り組みつつ、長期的な大規模削減に必要なイノベーションも促進しなければならない。その決意が国内外の誰の目から見ても明らかとなるように、真剣で強力な戦略推進を期待する。

本記事は、「日経エコロジー」2016年3月号(2月8日発行)の記事に、その後の動向を踏まえて加筆・修正したものです。