防虫剤成分を製造する住友化学は、ポリエチレンに成分を混ぜ込む技術を開発。これを織り上げた蚊帳「オリセットネット」を発売し、国連児童基金(UNICEF)などの国際機関がこの蚊帳を購入して普及させる事業が進展した。アフリカ企業とのジョイントベンチャーで設立した蚊帳の生産工場は、タンザニアで最大7000人の雇用を創出している。

住友化学の蚊帳「オリセットネット」を使うケニヤの子供たち

あらゆる業種に商機あり

 エネルギーの安定供給も適応ビジネスになる。電気の無い地域や電力網がぜい弱な地域は、台風や洪水などによってライフラインが途絶えがちだ。

 パナソニックは2012年度から太陽光パネルと蓄電池、LEDランプを組み合わせた「ソーラーランタン」を途上国に寄贈している。ミャンマーを皮切りにアジア、アフリカに広く寄贈先を拡大した。寄贈台数は今年3月末に8万3000台に達する見込みで、同社の創業100周年に当たる2018年初頭までに10万台を目指す。

 寄贈事業は、同社にとっては「フロンティア」とも呼べる無電化地域に進出する上での先兵としての役割も担っている。同社は太陽光パネルや蓄電池、照明などを組み合わせた無電化地域向けのエネルギー供給システムなどを開発。今後こうした製品の販売拡大を目指す。

 他にも保険業界やIT(情報技術)など様々な業種の企業が「適応」ビジネス市場を攻略すべく動き始めている。50兆円規模のフロンティアでは、あらゆる企業に商機がある。