だからといって排出事業者の言い訳にはならない。情報公開をしていない登録業者と契約するかどうかを判断しなければならない場合には、廃棄物処理法の優良産廃処理業者認定制度で情報公開が必要なことを逆手にとって、同程度の情報開示を求めればいい。もし、情報を出し渋ったり、出てきた情報に不備や疑問があれば、契約を取りやめる理由になる。

コラボレーションのススメ

 食品メーカーなどの多量排出事業者にとっては、適正なリサイクル方法を処理業者と共同開発していくことが最も安全な方法である。食品リサイクルは、食品一つひとつの成分や性状が違うこと、またリサイクル後の用途についても、どのような家畜やペットに食べさせるか、どのような野菜や果物を育てるかで、求められる製品の品質が異なる。どんな廃棄物でも受け入れられ、どんな用途にも使える万能の食品リサイクルというものはない以上、排出事業者と処理業者が共同研究しながら進めることが不可欠である。

 このような共同研究には成功例もあれば失敗例もある。例えばイオングループが処理大手の大栄環境グループ(大阪府)と提携したイオンアグリ創造の農場経営は、堆肥化の成功例とされる。その一方で大手コンビニチェーンが廃棄弁当の飼料化を計画し、提携先の処理業者が新工場まで建設したのに事業がとん挫し、倒産したという失敗例がある。

 最近では、食品リサイクルに限らず、農業と廃棄物処理業とのコラボレーションがブーム的に進展している。両者は資源循環産業として共通点が多い。とくに資金力とノウハウを持つ廃棄物処理業者が、法人経営農業を席巻しているといってもいい。農業の法人経営解禁の先べんをつけたのも廃棄物処理業者だったのである。循環産業型農業の普及をめざす動きに水を差す今回の事件は残念の限りである。

 あまり報じられていないが、使用期限切迫品、不良品、キャンペーン品などの廃棄後再流通リスクは、化粧品、医薬品、家庭用品でも共通している。化粧品などはパッケージやシールの軽微な意匠変更で大量の在庫廃棄を生じており、ディスカウントショップなどに流出しているのではないかという噂が絶えない。有害なものでなければ在庫廃棄品の再販はかならずしも消費者の利益にならないわけではないが、安全性を確認するルールが必要である。

 今回の事件を契機に、国、自治体、排出事業者それぞれに処理施設の一斉点検が始まっているが、一過性の取り組みで終わらせず、この事件を教訓にして、廃棄物処理の適正化とリサイクルがさらに進展していくことを期待したい。