セーフメーターの仕組みはこうだ。装置に搭載した加速度センサーが車の挙動を検知し、スムーズな発進や停止をすると装置に表示した数字を1ずつ上げていく。反対に、急な加減速やハンドル操作をした場合、表示を「0」にリセットする。

 事故を起こしにくいスムーズな運転を続けることで数字が増える。運転者に、次に運転するときはもっと高い数字を目指そうという意識を持ってもらうことで、事故防止に結び付ける。ゲーム感覚をうまく取り入れて、運転者に安全運転を「続けたい」と思わせる点がこの製品のミソである。

 「事業所ごとに競わせて高い数字を記録した社員を表彰し、安全運転を浸透させているところもある」(オプテックス戦略本部開発センターの中村明彦センター長)

邪魔な「ノイズ」は取り除く

 オプテックスが開発したセンサーは、スマホ内蔵のセンサーなどとは一線を画す。例えば、道路の段差を通過したときなどに生じる挙動は、危険な運転と判定しないように工夫した。運転の仕方が悪かったわけではないのに、道路の問題で数字がリセットされたのでは運転者のやる気をそぎかねないからだ。

 防犯センサーや自動ドアの開閉センサーの世界市場で高いシェアを持つ同社は、本来の目的を果たすのに邪魔になる「ノイズ」を取り除く技術に強みを持つ。
 導入企業の平均で、交通事故の割合が導入前と比べて48%減っている。事故が減ったことによって自動車保険料が17%下がり、スムーズな運転をするようになって燃費が8%向上し、燃料代も節約できているという。

 オプテックス戦略本部開発センター企画課の鵜飼亨課長は、「燃料代の削減効果だけで、製品への投資は1~2年で回収できる」と言う。ドライブレコーダーなどを利用するサービスに比べて、手軽で安価な点が売りである。

 交通事故による死亡者数の削減は、国連が定めた世界が共通して取り組む2030年の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)のターゲットにもなっている。自動運転とともに交通事故防止の技術開発はますます加速しそうだ。

本記事は、「日経エコロジー」2018年2月号(1月8日発行)に掲載した内容を再編集したものです。