──米国のドナルド・トランプ次期大統領は、環境政策等に熱心ではないと言われます。この点をどう見ますか。

ナバロ博士:はっきり言いますが、各国政府は既にSDGsに署名したのです。これは合意文書であり、政権が交代したからといって変更はできないのです。またどの国でも、特に25歳以下の層は、彼らの子世代、孫世代がきちんと生きていくことのできる世界を望んでいます。つまり世界の政府はSDGsの実現に動くべきです。ある国が賛同できないと言っているからといって、持続的開発に取り組まないというわけにはいかないのです。

 一方で、カナダ、メキシコをはじめ、北欧の各国、オランダ、フランス、ドイツなどもSDGsを活発に推し進めています。英国も積極的です。もちろん日本もです。ブラジルやインド、中国など中程度の所得国も熱心です。南アフリカ、ナイジェリアも非常に前向きですし、インドネシアなども非常に優れた取り組みをしています。

 繰り返しますが、どこかの国が消極的だからといって心配する必要はありませんし、政権が交代したからといって立ち止まることはできないのです。

SDGsのロゴを製品パッケージに

──SDGsの達成度については、どのように検証していくのですか。

ナバロ博士:169のターゲットについては、達成を検証する指標を設けていますし、ワールドデータフォーラムといった場なども含め、ビッグデータを使った検証を考えています。達成度を測るのが難しい目標もありますし、性差や地域差などを調べるにはデータを掘り下げる必要があるでしょう。また経済的に貧しくデータを集めるのが難しい国もあるでしょうが、可能な限りデータを集め、分析に取り組みたいと思います。

──SDGsを広めていくために、国連としても広報などを考えていますか。

ナバロ博士:さきほども広告代理店の話をしましたが、世界の主要な広告代理店6社と提携しSDGsのメッセージを届けていきます。国連グローバルコンパクトに署名した企業を通じて、消費者に告知していきたいと考えています。またすべての企業に、SDGsに対応した商品のパッケージにSDGsのロゴを印刷するなど、SDGsを生かしたブランド化も検討してほしいと思っています。すでに企業の中にはSDGsの意図を反映した原料を使う取り組みも見られます。こうした動きはぜひ、広がってほしいと思います

国連本部ビル1階ホールに掲示された歴代国連事務総長の肖像画(イランが寄贈したシルクの織物)。米国の国連政策の変化が懸念されるが、持続可能な環境・社会に向け、各国の連携はさらに重要になっている
国連本部ビル1階ホールに掲示された歴代国連事務総長の肖像画(イランが寄贈したシルクの織物)。米国の国連政策の変化が懸念されるが、持続可能な環境・社会に向け、各国の連携はさらに重要になっている
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