「顔認証」はiPhoneXでも話題になった。

 そこで、思ったのだが、最近、スマホで普及してきた顔認証も、こういった特徴を見ているのだろうか。

「基本的にそうですけど、一応3次元計測をしてるんですよ。画像1枚じゃなくて、レンズを2つ使って立体形状を撮っています。ただ、自分がその端末を使ってる分には、自分は常に通るから問題はないですけど、必ず他人をリジェクトしてくれるかはちょっと疑わしいとこもあって。それこそ、今、静的な特徴しか見てないから、例えば本人そっくりの石膏像を作って色付けすれば、多分通っちゃうと思うんですよね。もっと精度を上げたいなら、例えば、ニヤッとしたときの個性などをどうやって分離するかですね。それができると、双子でも真似できない、本人、その人しか絶対使えないものができると思うんですけど、そこはまた次の課題です。動的な、動きとしての個性をどう識別するのか」

 やはり、静止している局面での「らしさ」と、動きの「らしさ」とは、別の話なのだという。そして、現時点では、静的な「らしさ」はともかく、動的な「らしさ」は抽出するのも難しい。その一方で、2次元と3次元の間の敷居は、意外と低いというのが印象的だった。スマホの顔認証は、すでに3Dなのである!

 こういったことを考えると、SayaレベルのリアルなCGを自動生成するという時、やはり難関は、動きの中での本人らしさをどう抽出するかだと分かる。

 また、それがうまく行けば、その動きを十分に再現できるほど精密で自然な描画を、高速に処理できるCGの技術が必要になってくる。これもまた、実は大きなチャレンジである。

 よりよい顔CGのために、森島さんたちが開発してきたものの中で、実に応用物理学科的な例を、ひとつ教えていただいた。