レジンペレット。通常は直径数ミリの円筒形か円盤形で、一般的なプラスチックゴミの破片があるところには、ほぼ100%ペレットが存在する。(画像提供:高田秀重)

 なお、高田さんがさまざまな離島のサンプルを得て、マイクロプラスチックを分析しているのは、「インターナショナル・ペレットウォッチ」という活動の一環だ。インターネットや雑誌で呼びかけて、世界の人に海岸に落ちている「ペレット」を見つけてもらい、送付してもらう。それを高田さんの研究室で分析して、どんな物質を吸着しているか調べる。

 ここでいう「ペレット」というのは、海岸でよく見られる「レジンペレット」を指している。プラスチック製品を最終的な形にする前に、直径数mmの円筒型か、円盤型のかたまりにする工程があり、その状態をレジンペレットと呼ぶ。ただ、これは消費者のもとに届いて、無造作に捨てられるというようなものではないので、どんなふうにして環境中に出てしまうのだろうかと最初、不思議に思った。

高田さんが主宰する市民参加型活動「インターナショナル・ペレットウオッチ」のサイト。

「確かにコンシューマープロダクトではありませんが、プラスチック製品の消費が増えれば、作る量も運ぶ量も増えるということで、環境中に出てくる可能性も大きくなります。レジンペレット自体そんなに危険だとは思われてこなかったので、取り扱いが雑な時もありました。工場の中でも、輸送中にでも、こぼれてしまって、水路や川を通じて海に入ってくるわけです。タンカーがコンテナごと落としてしまって、近くの砂浜にレジンペレットが何センチもたまってしまったという事故の報告もここ10年ぐらいの間でも何度かあります」

 たしかに、とても小さなもので、別に危険とも思われていないなら、多少こぼれたものは洗い流しておしまいということになってしまうだろう。言われてみれば、容易に想像はついた。

 そして、レジンペレットのうち、特にポリエチレンやポリプロピレンでできたものは、比重が軽く水に浮かぶので、水路、河川を通って、海に至ると、表層を漂うことになる。海上輸送中にコンテナごと脱落事故を起こした場合は、直接的に海に大量投入されてしまう。それらの一部が、海岸に打ち上げられて、ごく普通に見つかるのが現状なのだそうだ。