見捨てないでね

 THAADも「国政壟断事件」との関連を疑わせます。韓国軍は11月16日、突然「2017年初めまでにTHAAD工事着工」と発表しました。

 「THAAD配備を認めるな」との中国の圧力は相変わらず続いていますから、朴政権は「着工」をできる限り先延ばししたかったはずです。

 そもそも配備に同意したのも、親中派が「配備拒否」に動いたため、その反動で認めてしまった側面が強いのです(「『中国陣営入り』寸前で踏みとどまった韓国」参照)。

 しかし、デモの参加者が膨れ上がり、朴大統領の支持率も急降下。背に腹は代えられず「THAADも約束通りちゃんと受け入れます」とメッセージを出すことで、米国から見捨てられる可能性を少しでも減らそうとしたのだと私は見ています。

強弁に終始した文在寅

文在寅・前代表は米韓同盟に関し明確な発言をしていますか?

鈴置:12月15日の外信記者クラブでの会見では、以下のように語りました。

  • 韓米同盟が強固であることが何よりも重要だ。過去の政府の韓米政策をそのまま継承することはもちろん、同盟を強固にし、発展させるよう努力する。

 でも、この発言をそのまま受け止めた韓国紙はありませんでした。「THAADもGSOMIAも見直す」と言っているのですから「過去の韓米関係を継承する」ことは不可能です。なお、文・前代表はTHAADに関しても以下のように付け加えています。

  • THAADの再検討が韓米同盟を害するとは思わない。

 これも誤魔化しです。在韓米軍基地へのTHAAD配備は「韓国防衛に責任が持てない」とまで言われたので朴槿恵政権が認めたのです。文・前代表は在韓米軍の撤収や米韓同盟の打ち切りを覚悟のうえで、再検討を語っているのでしょう。