朝鮮日報は権力の手先だ

「韓国は民主国家ではない」と言い切っていますね。

鈴置:今回の崔順実(チェ・スンシル)氏による「国政壟断事件」が露見する前でしたら、韓国人の反発を買ったと思います。でも今、韓国人は「これでも国か」と自信を失っています(「『美し過ぎた自画像』が呼んだ朴槿恵弾劾」)。

 そんな時に「統合進歩党の解散だって、まともな国だったらあり得なかった」と言われれば「確かにそうだな」と考える韓国人が出ると思います。

 しかし韓国の保守にとって「北朝鮮の傀儡組織」統合進歩党の解散は譲れない一線です。それに左派の矛先は自分たちに向いているのです。朴露子教授は朝鮮日報も批判しています。以下です。

  • 朝鮮日報や韓国日報など多くの新聞が、国家情報院が執筆した「内乱陰謀」小説を事実であるかのように報じた。
  • 情報機関とマスコミが一緒になって政権の政敵に対する従北攻撃(北朝鮮に賛同追従する勢力だという攻撃)に出るならば、民主主義や基礎的な人権常識がまともに残り得ようか?

左派政権のイジメ

朝鮮日報は名指しで攻撃されましたね。

鈴置:最大手紙として保守の声を代表してきた朝鮮日報は当然、左派の最大の攻撃目標です。朴露子教授だけではありません。「朴退陣デモ」も朝鮮日報を標的にしています。

 朴槿恵大統領の退陣を求める集会やデモの現場で歌われる歌には「セヌリ党よ、朝鮮日報よ、お前らも醜悪な共犯じゃないか」とのくだりがあります。

 東京基督教大学の西岡力教授が月刊『正論』2017年1月号に載せた「混迷の韓国 次は過激な親北政権?」でこの歌を解説しています。西岡教授の記事によると、歌詞は以下のように続きます。

  • (朴槿恵批判の)ショーをするな。だまされないぞ。お前らも解体してやるぞ。

朝鮮日報が「標的」になると、販売部数が減るということですか。

鈴置:それもあります。韓国ではそれに加え、政権からのイジメも恐れなければなりません。金大中(キム・デジュン)政権、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の10年間、保守系紙は苦労しました。

 左派政権から「税務調査するぞ」「オーナーを収監するぞ」と脅され続けたのです。韓国では新聞も政治のプレーヤーの1つなのです。