韓国保守紙は朴大統領を弾劾した「名誉革命」が「ロシア革命」に変質することを恐れる。写真はロシア革命の様子が描かれた絵画(写真:AP/アフロ)

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 韓国の保守系紙が慌てる。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領を断罪した「名誉革命」が「ロシア革命」に変容する可能性が出てきたからだ。現在の体制を破壊されたら、自分たちも危ういのだ。

憲法裁判所に圧力

12月9日、韓国の国会が朴槿恵大統領への弾劾訴追案を可決しました(「韓国国会、朴槿恵弾劾案を可決」参照)。

鈴置:混乱は続いています。可決以降の「下野を要求する土曜デモ」は憲法裁判所にも向かうようになりました。弾劾を棄却しないよう圧力をかけるためです。

 デモ隊は大統領権限代行に就任した黄教安(ファン・ギョアン)首相に対しても辞任を要求しています。公安検事出身でタカ派なので、デモなどに強権を発動するのではないかと恐れているのです。

 野党第1党の「共に民主党」も「即刻下野」と早期の弾劾決定を要求しています。弾劾案可決に成功した今の勝利ムードが続く間に、次の大統領選を実施したいのです。

 同党の最有力大統領候補の文在寅(ムン・ジェイン)前代表は12月16日「もし、憲法裁判所が弾劾を棄却したら?」との質問に「そんな判決が出たら、次は革命するしかない」と答えています。

 朝鮮日報が「文在寅『国民の憲法意識がすなわち憲法・・・弾劾棄却すれば次は革命しかない」(12月17日、韓国語版)で報じました。

 弾劾訴追の可否を憲法裁判所がいつ下すか分からないことも、政局の不安定感を加速しています。一方、与党「セヌリ党」は親朴派と非朴派の対立が激化し、分裂状態です。

デモに便乗する勢力

 注目すべきは保守系紙が怯え始めたことです。保守系紙は大統領を弾劾訴追に追い込んだ毎週土曜日の大型デモを「名誉革命」と絶賛してきました(「『名誉革命』と韓国紙は自賛するのだが」参照)。

 「広場民主主義」の勝利とも褒めそやしてきました。ろうそくを手に広場に集まった人々が議会を突き動かしたからです。「100万人のデモでもガラス1枚割れない民度の高さ」も誇りとなりました。

 しかし「革命の熱気」が高まるに連れ、保守系紙は「広場」に不気味なものを感じ取ったのです。中央日報の社説「弾劾とろうそくに便乗する統合進歩党と尹昶重氏」(12月6日、韓国語版)がそれをよく表しています。

 記事が載ったのは、6回目のソウルのろうそく集会(12月3日)に150万人(主催者側発表)が集まった後。大統領の弾劾訴追案が国会で可決される見通しが強まった時でした。ポイントを訳します。

  • 問題はこのような純粋な志に便乗して私利を得ようとする勢力が台頭し始めたことだ。北朝鮮式の社会主義を実現しようとしたとして2014年末、憲法裁判所が「危険な政党」と規定し解散させた統合進歩党出身の人物らが代表例だ。
  • この者たちは、内乱扇動罪で懲役9年を宣告され収監中の李石基(イ・ソッキ)前・統合進歩党議員の釈放を求める要求するプラカードをデモ現場で掲げた。