「戦後」に強まる米国の影響力
あのように「うるさい国」を再び属国にしたいのでしょうか、中国は……。
鈴置:確かに、そう言う中国人が多い。ただ、中国は米国に対し何らかのカウンターパンチを準備する必要に迫られています。
第2次朝鮮戦争の「戦後」には、米国の影響力が朝鮮半島やアジアで飛躍的に増すのは確実です。米国の軍事力が改めて見直されるからです。中国がそれに対抗するには、韓国の再属国化が最も実現可能で手ごろな策なのです。
先に引用した12月9日の演説で王毅外相は改めて「双中断」に言及しました。「中国は対話と交渉を再開するための条件整備を目指し『双中断』を主張してきた」と語ったのです。
中国のこれまでの外交努力を誇ったようにも見えますし、韓国に「双中断」すなわち「五輪休戦」を共に唱えようと、サインを送ったようにも見えます。
(次回に続く)

■「朝鮮半島の2つの核」に備えよ
北朝鮮の強引な核開発に危機感を募らせる韓国。
米国が求め続けた「THAAD配備」をようやく受け入れたが、中国の強硬な反対が続く中、実現に至るか予断を許さない。
もはや「二股外交」の失敗が明らかとなった韓国は米中の狭間で孤立感を深める。
「北の核」が現実化する中、目論むのは「自前の核」だ。
目前の朝鮮半島に「2つの核」が生じようとする今、日本にはその覚悟と具体的な対応が求められている。
◆本書オリジナル「朝鮮半島を巡る各国の動き」年表を収録
『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』『「中国の尻馬」にしがみつく韓国』『米中抗争の「捨て駒」にされる韓国』 に続く待望のシリーズ第9弾。2016年10月25日発行。
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