トランプの車が逆走

保守派は同盟を守れるでしょうか?

鈴置:分かりません。左派が「トランプこそが戦争勢力」と訴える宣伝戦に乗り出しているからです。11月8日のトランプ大統領の国会演説の際、議場で左派の複数の議員が立ち上がって「NO WAR」のプラカードをかざしました。

 その前日、11月7日には左派がソウル市内で「戦争反対」「トランプは帰れ」と叫ぶ大規模なデモを実施しました。

 青瓦台(韓国大統領府)から宿舎のホテルに戻るトランプ大統領の車列には物が投げつけられ、大統領の車はコースの変更を余儀なくされました。道路の反対車線を走って、あやうく難を逃れたほどです。

 大統領の車に物が投げつけることができるほど、今回の反米デモへの規制は弱かった。誰もが米国の大統領に危害が及ぶ激しいデモになると予想していたというのに、韓国政府はトランプ大統領の動線上のデモを許可したのです。

 文在寅大統領はトランプ大統領の前では同盟を謳い上げて見せる。しかし裏では反米運動を助け、米国こそが危険な存在と世界に訴えているのです。

 米韓首脳会談の直後、WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)が社説「South Korea’s Bow to Beijing」(11月7日、電子版)で「文在寅大統領は信用できない(unreliable)友人だ」と書きました(「トランプとの合意を1日で破り、変造した文在寅」参照)。それは当然の話なのです。

次回に続く)

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孤立する韓国、「核武装」に走る

■「朝鮮半島の2つの核」に備えよ

北朝鮮の強引な核開発に危機感を募らせる韓国。
米国が求め続けた「THAAD配備」をようやく受け入れたが、中国の強硬な反対が続く中、実現に至るか予断を許さない。

もはや「二股外交」の失敗が明らかとなった韓国は米中の狭間で孤立感を深める。
「北の核」が現実化する中、目論むのは「自前の核」だ。

目前の朝鮮半島に「2つの核」が生じようとする今、日本にはその覚悟と具体的な対応が求められている。

◆本書オリジナル「朝鮮半島を巡る各国の動き」年表を収録

中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』『「中国の尻馬」にしがみつく韓国』『米中抗争の「捨て駒」にされる韓国』 に続く待望のシリーズ第9弾。2016年10月25日発行。