
(前回から読む)
11月29日午前3時18分頃、北朝鮮がICBM(大陸間弾道弾)と見られるミサイルを試射した。9月15日に中距離弾道弾「火星12」型を試射して以来、75日ぶりの弾道弾実験。
米本土まで届く
同日朝、安倍晋三首相は記者団に11月29日の弾道弾に関し「飛行状況を踏まえればICBM級と思われる」と述べた。
小野寺五典防衛相は推定される射程に関し、ICBMの目安とされる5500キロを「はるかに超える」と述べ、これまでの弾道弾と比べ最長との認識を示した。飛行時間も過去最長の約53分。
韓国軍によれば、高角度で打ち上げるロフテッド軌道で打ち上げたため高度は4500キロに達し、水平距離では960キロ飛行した。日本海側の日本のEEZ(排他的経済水域)内に落下した。
北朝鮮は米本土を攻撃する能力を備えたと専門家の多くは見る。トランプ大統領と安倍首相は電話で緊急協議し、圧力強化で一致した。日米韓の要請で国連安全保障理事会が29日に開かれる。
近く7回目の核実験か
11月29日の弾道弾試射に続き、北朝鮮は7回目の核実験に近く踏み切る可能性がある。米国まで届く弾道弾に加え、核弾頭も完成すれば「完全な反撃能力」を誇示できる。それにより米国の先制攻撃を阻止できるとの計算だ。
回数 | 実施日 | 規模 |
---|---|---|
1回目 | 2006年10月9日 | M4.2 |
2回目 | 2009年5月25日 | M4.7 |
3回目 | 2013年2月12日 | M5.1 |
4回目 | 2016年1月6日 | M5.1 |
5回目 | 2016年9月9日 | M5.3 |
6回目 | 2017年9月3日 | M6.3 |
米議会が設立した自由アジア放送(RFA)・韓国語版は「北朝鮮の軍幹部『7回目の核実験で核兵器は完成』」(11月24日)で、在中国の北朝鮮消息筋の話として以下を伝えた。
- 北朝鮮は7回目の核実験を実施する。過去最大の規模であり、核武装を完成させるものとなる。
- 実施時期は金正恩(キム・ジョンウン)委員長の判断にかかっている。
- 以上は北朝鮮軍のかなりの上層幹部から直接聞いた。
次回の核実験は弾道弾に載せて発射し、海上で爆発させるかもしれない。地下実験では弾道弾に載るほど小型化したと示せないからだ。宇宙空間から再突入する際に弾頭が燃え尽きない技術を確保したことを示すにも、弾道弾に載せて爆発させる必要がある。
すでに9月21日、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相がニューヨークで記者団に「太平洋上で過去最大の水爆実験をする」と語っている(「金正恩をコーナーに追い詰めたトランプ」参照)。
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