日本もスワップを結べ

韓国が「中国とスワップを結んだぞ。日本は孤立した。日本も我が国と結んだらどうか」と言ってきませんか?

真田:2008年当時はそうしましたが、今回はさすがに言って来ないでしょう。安倍晋三政権はトランプ(Donald Trump)政権と完全にスクラムを組んでいる。

 その米国は「通貨」を対韓圧力の一環として使っています。日本に結べと要求しても埒が明かないことは、韓国も承知していると思います。

 日本にスワップ締結を要求して断られたら――今の段階ではそうなると思いますが、マーケットの韓国を見る目はさらに厳しくなりますしね。

10月に入り、韓国株は連日のように史上最高値を更新しました。為替も落ち着いています。

真田:逆に、だから怖いのです。ヘッジファンドは韓国への投資をいったん手仕舞いする機会を見計らっています。売り抜けるのなら株も為替も高い方がいいに決まっています。彼らがそうしたポジションを作っていると見ることもできます。

 米金利は年内に上がる可能性が高い。すでにドルとウォンの金利差はなくなっています。米利上げで、資金が韓国からどっと流れ出すかもしれないとの観測が高まっています。ファンドはそのタイミングを見守っていると思われます。

 邦銀も韓国の金融機関や企業に対し、貸し渋っています。北朝鮮の核危機への懸念が主な原因ですが、韓国から資本が逃げるということでは同じです。

八方塞がりの韓国経済

ウォン金利も上げればいいのでは?

鈴置:韓国経済は家計負債門問題というアキレス腱を抱えています。金大中(キム・デジュン)政権以降、歴代政府は国民に借金させて景気を維持してきました。

 2016年末には家計負債はGDPに相当する額に膨らんでいます(日経・電子版「韓国経済に『家計負債の死角』 GDP回復も危うさ」=10月26日=参照)

 ウォン金利を上げれば、借金の返済額が増えて消費が減ります。貸し倒れも増えるので金融システムに打撃を与えます。いずれも資本逃避の要因になります。

 韓国は金利を上げても資本逃避に直面しかねず、上げなくても資本逃避の可能性が高い、という八方塞がりの状況にあるのです。