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姑息な文在寅外交

他の保守系紙も批判しましたか?

鈴置:もちろんです。東亜日報も社説「欧州のCVIDの壁にぶつかった『制裁緩和』、遅れる北朝鮮核の時刻表」(10月22日、日本語版)で「文在寅政権の姑息な手法」を非難しました。

  • 文氏は9日間の欧州歴訪で、北朝鮮に対する制裁緩和の必要性を繰り返し強調した。大統領府は「制裁緩和を公論化する成果があった」と評価するが、実際はCCVIDに対する欧州諸国の明確な意思を確認し、壁にぶつかったと見るのが正しいだろう。
  • もし非核化促進に向けてある程度の制裁緩和が避けられないと判断したとすれば、米国と膝を突き合わせて協議して説得し、北朝鮮の誤った判断と非核化意思の後退を最小化する戦略を設けるべきだった。他の安保理理事国に対して公開的に「反制裁連合戦線」を構築しようとする外交の動きを見せたことは適切でなかった。

 米国は対北制裁を緩和しようとする韓国の動きを苦々しく見ています。トランプ大統領自身が警告を発したほどです(「『言うことを聞け』と文在寅を叱ったトランプ」参照)。

 そこで文在寅政権は欧州を説得することで、制裁緩和に応じない米国を孤立させる作戦に出た――と東亜日報は読んだのです。もちろん、そんな稚拙な小陰謀はたちどころに頓挫しました。

 そのうえ米国の怒りに油を注ぎましたし、世界をして「韓国は北朝鮮の核武装を幇助するつもりだな」と疑わせるに至りました。

 今や文在寅政権は、北が開発した核を分けて貰う作戦に出ていると見なされ始めています。詳しくは『米韓同盟消滅』の第1章第4節をご覧下さい。

 米国を怒らせる姑息なやり方は、南北関係にも悪い影響――例えば、年内に予定される金正恩(キム・ジョンウン)委員長の訪韓計画も危くすると東亜日報の社説は指摘しました。

  • 非核化が少しも履行されていない状態での正恩氏のソウル訪問に対して賛否の論議を激しくする可能性がある。南北関係は非核化に関係なく動いてはならず、そうすることもできない。