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北の顔色を見るな

韓国は大恥をかきましたね。

鈴置:ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「Moon’s Push to Ease North Korea Sanctions Falls flat」(10月19日)との見出しで報じました。

 「対北制裁緩和を狙った文のごり押し、完敗で終わる」と酷評したのです。世界で恥をさらした韓国。保守系紙は文在寅外交を痛烈に批判しました。

 朝鮮日報は10月22日の社説の見出しを「文大統領の欧州歴訪、事実上の外交事故ではないか」(韓国語版)としました。

 「外交事故」とは韓国メディアがしばしば使う表現で、日本語に訳せば「外交上の大チョンボ」といった感じです。ポイントを訳します。

  • ASEM首脳会談は北朝鮮の核に関し、議長声明で「CVID方式で廃棄するよう」求めた。CVIDの核心は検証だ。北朝鮮はCVIDを極力避けようとする。
  • 我が国の政府はいつの間にかCVIDの代わりに「完全な非核化」だけを言うようになった。「検証」を取り除いたのだ。議長声明に盛り込まれた、北朝鮮の生物化学兵器の廃棄に関しても政府は声をあげたことがない。韓国民の声を韓国政府ではなく、アジアと欧州の首脳が代弁したのである。
  • 文大統領が英仏首脳に対北制裁の緩和を訴えたのは今、国際社会がこの問題をどう見ているかを理解していないからだ。韓国の外交は「南北」に足をとられ、方向感覚を失った。今回の訪欧は事実上の外交事故である。

 なお「南北に足をとられ」とあるのは「北朝鮮の顔色を見て」との意味です。朝鮮日報はそこまで露骨に書くのを避けたのでしょう。こう書けば韓国人なら誰でも「忖度外交」の意味と分かりますし。