日本海に港を持つ中国

 ロシアは自国から北朝鮮の日本海側の港、羅津までの鉄道を改修して使うなど利権を有しています。この「中国案」では、羅津港を含む咸鏡北道はロシアが統治します。これによりロシアは極東に不凍港を確保できます。

 米国と韓国は北朝鮮の南半分を得ます。それにより、韓国は首都・ソウルが軍事境界線と40キロほどしか離れていないという脆弱性をある程度、改善できます。

 南半分のうち日本海側が米国、黄海側が韓国の管轄となります。ただ韓国は平壌を取り囲む平安南道は確保できますが、平壌そのものは4カ国が共同で管轄します。

 中国は自国に接する広大な地域を、東北部を除き管轄します。ポイントは咸鏡南道も得ることでして、初めて日本海側への出口を獲得します。

 中国にとって実に都合のいい線引きで、それだけに本物の中国案らしく見えるのです。この案だと、一応はロシアにも配慮しています。

真田:うーん。ロシアが受け入れるアイデアとはとても思えません。他の取引とバーターでこれを飲むということでない限り、ロシアにさほどのメリットはありません。

 もしも私の見方が外れ、米中に加えてロシアまでも金ファミリー王朝を除去する動きに出れば、北朝鮮はいよいよ「窮鼠猫を咬む」状態に追い込まれます。あるいは、IS(イスラム国)など非国家テロ組織とタイアップを始める可能性が高まると思います。

次回に続く)

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孤立する韓国、「核武装」に走る

■「朝鮮半島の2つの核」に備えよ

北朝鮮の強引な核開発に危機感を募らせる韓国。
米国が求め続けた「THAAD配備」をようやく受け入れたが、中国の強硬な反対が続く中、実現に至るか予断を許さない。

もはや「二股外交」の失敗が明らかとなった韓国は米中の狭間で孤立感を深める。
「北の核」が現実化する中、目論むのは「自前の核」だ。

目前の朝鮮半島に「2つの核」が生じようとする今、日本にはその覚悟と具体的な対応が求められている。

◆本書オリジナル「朝鮮半島を巡る各国の動き」年表を収録

中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』『「中国の尻馬」にしがみつく韓国』『米中抗争の「捨て駒」にされる韓国』 に続く待望のシリーズ第9弾。2016年10月25日発行。