鈍感過ぎる日本人

韓国は米国と同盟を結んでいます。米国の「核の傘」によって保護されているのではありませんか?

鈴置:韓国人は米国を信用していません。「2度も米国に捨てられた」と考えているからです。1度目は先ほど述べた桂―タフト協定。2回目は1950年1月のアチソン(Dean Acheson)声明です。

 アチソン国務長官が演説で米国の防衛線を説明した際、韓国をその内側には置きませんでした。これを聞いた北朝鮮の金日成首相(当時)は「南進しても米国は介入しない」と判断、半年後に朝鮮戦争を始めたのです。

でも「裏切られた」過去の2回とも、韓国は米国と同盟を結んでいませんでした。

鈴置:確かに昔と異なって、今は米韓同盟があります。ただ、いくら同盟があっても「核の傘」が本当に適用されるのか、韓国人は疑うのです。

 李春根博士はインタビューで「北朝鮮によるロサンゼルスへの核攻撃のリスクを甘受してまで米国が韓国を守るのか」と疑問を呈しました。これは多くの韓国人が抱く懸念です。

そのうえで「米国の核の傘への不安からフランスは独自に核武装した」と指摘しました。国際的な標準から言えば、日本人が鈍感過ぎるのでしょう。

北の核はボディーブロー

平和ボケですね。

鈴置:日本人ほどではないけれど、韓国人も平和ボケに陥っているところがあります。「北の核」がボディーブローのように韓国の安全と独立を侵していくことに、まだピンと来ていないのです。そこで、保守の論客らが必死になって危機を訴えているわけです。

次回に続く)

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米中抗争の「捨て駒」にされる韓国

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