韓国は中国との交渉カードに

トランプ大統領ならやりかねませんね。

鈴置:トランプ大統領に限りません。左派政権――金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)が誕生するたびに、米国は韓国を「通貨」で威嚇してきたのです。

それにしても米国が同盟にも影響する「FTA破棄」までハラをくくるとは。思い切りましたね。

鈴置:韓国の裏切りがあまりにもひどいからです。朴槿恵(パク・クネ)政権は「離米従中」。次の文在寅政権は「反米親北」。米国兵士の命をかけてこんな国を守る義務はありません。もともと米国にとって韓国は「なくてもよい国」なのです。

 それにトランプ大統領は韓国を中国との交渉カードに使う可能性が高い。核を放棄させるため北朝鮮を攻撃したら金正恩(キム・ジョンウン)政権は崩壊する可能性が高い。その後の北朝鮮を誰が支配するか米中、あるいは米中ロで話し合うことになります。

 習近平主席はトランプ大統領に「韓国は歴史的に中国の一部」と説明したようです。トランプ大統領はそれをWSJとの会見で明かしました(「『韓国は中国の一部だった』と言うトランプ」参照)。

 「北朝鮮処分」に先だって、米中が朝鮮半島全体の中立化で合意すると観測する専門家が増えています。当然、米韓同盟は消滅します。それを考えれば、米韓FTAの消滅など大した話ではないのです。

韓国でも米韓軍事同盟の破棄が語られています(「『米韓同盟破棄』を青瓦台高官が語り始めた」参照)。

鈴置:北朝鮮の核問題がどう決着が付くかは読めません。1つ言えるのは、その陰で米韓同盟の崩壊が始まっていることです。

次回に続く)

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孤立する韓国、「核武装」に走る

■「朝鮮半島の2つの核」に備えよ

北朝鮮の強引な核開発に危機感を募らせる韓国。
米国が求め続けた「THAAD配備」をようやく受け入れたが、中国の強硬な反対が続く中、実現に至るか予断を許さない。

もはや「二股外交」の失敗が明らかとなった韓国は米中の狭間で孤立感を深める。
「北の核」が現実化する中、目論むのは「自前の核」だ。

目前の朝鮮半島に「2つの核」が生じようとする今、日本にはその覚悟と具体的な対応が求められている。

◆本書オリジナル「朝鮮半島を巡る各国の動き」年表を収録

中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』『「中国の尻馬」にしがみつく韓国』『米中抗争の「捨て駒」にされる韓国』 に続く待望のシリーズ第9弾。10月25日発行。