軍の反抗を恐れて閲兵式

トランプ政権が北朝鮮と妥協する、との読みですか。

鈴置:韓国ではまだ、そうした心配をする人が多い。もちろんその可能性も残っていますが、米国では「イラン問題」が浮上し、北朝鮮に核を持たせたままでの妥協は難しくなっています(「金正恩の耳元でつぶやくトランプ」参照)。

 しかし、韓国で「イラン要因」に関する議論は表面化していません。韓国紙はいまだ「米朝談合」を警戒する社説を折に触れ、載せています。

 文在寅政権の懸念は韓国の保守、ことに軍の「反発」にもあると思います。9月28日、韓国は突然、閲兵式を敢行しました。

 毎年行われていた軍事パレードは非軍人の大統領が就任した1993年以来、5年に1回に減らされていました。予定にもなかった閲兵式の開催に韓国人は驚きました。

 文在寅大統領は宋永武国防長官と並んでオープンカーに乗り、陸海空軍兵士を検閲しました。突然の開催は「北朝鮮に断固たる姿勢を示すため」と公式には説明されました。が本当は、不満をためる軍をなだめるのが目的だったと見る識者が多いのです。

次回に続く)

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孤立する韓国、「核武装」に走る

■「朝鮮半島の2つの核」に備えよ

北朝鮮の強引な核開発に危機感を募らせる韓国。
米国が求め続けた「THAAD配備」をようやく受け入れたが、中国の強硬な反対が続く中、実現に至るか予断を許さない。

もはや「二股外交」の失敗が明らかとなった韓国は米中の狭間で孤立感を深める。
「北の核」が現実化する中、目論むのは「自前の核」だ。

目前の朝鮮半島に「2つの核」が生じようとする今、日本にはその覚悟と具体的な対応が求められている。

◆本書オリジナル「朝鮮半島を巡る各国の動き」年表を収録

中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』『「中国の尻馬」にしがみつく韓国』『米中抗争の「捨て駒」にされる韓国』 に続く待望のシリーズ第9弾。10月25日発行。