ガソリンが足りなくなるぞ

トランプ大統領は金正恩委員長の耳元でつぶやくことで、軍事的な圧迫の威力を増そうとしている……。

鈴置:経済制裁の威力を増す狙いと思えるツイッターもあります。9月17日の「北朝鮮のガソリンスタンドには列ができる」です。

  • I spoke with President Moon of South Korea last night. Asked him how Rocket Man is doing. Long gas lines forming in North Korea. Too bad!

 北朝鮮が経済制裁の強化に対応するため、ガソリンの販売規制を始めたとの情報がありまして、それをもとにつぶやいたものと思われます。

 9月11日に採択された制裁案では原油の全面禁輸は盛り込めず、現行水準で凍結するに留まりました。ただ、ガソリンなど石油精製品の輸出は年間200万バレルの上限を設けました(日経・電子版「国連安保理 北朝鮮追加制裁決議の要旨」参照)。

 そこでトランプ大統領は「ガソリン不足に陥るぞ。さあ、どうする」とつぶやき、金正恩委員長に北の厳しい未来を思い起こさせたのです。

 「ガソリンスタンドに列」との情報が金正恩氏に上がっていない可能性もあります。その際これを読めばさらに動揺するとも計算したのでしょう。

 「世界」だけでなく「相手の統治する国」の情報も伝えることが独裁者の説得には有効なのです。

次回に続く)

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孤立する韓国、「核武装」に走る

■「朝鮮半島の2つの核」に備えよ

北朝鮮の強引な核開発に危機感を募らせる韓国。
米国が求め続けた「THAAD配備」をようやく受け入れたが、中国の強硬な反対が続く中、実現に至るか予断を許さない。

もはや「二股外交」の失敗が明らかとなった韓国は米中の狭間で孤立感を深める。
「北の核」が現実化する中、目論むのは「自前の核」だ。

目前の朝鮮半島に「2つの核」が生じようとする今、日本にはその覚悟と具体的な対応が求められている。

◆本書オリジナル「朝鮮半島を巡る各国の動き」年表を収録

中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』『「中国の尻馬」にしがみつく韓国』『米中抗争の「捨て駒」にされる韓国』 に続く待望のシリーズ第9弾。10月25日発行。