黙認か、軍事攻撃か

「対話」が成立する可能性はほとんどなくなったのですね。

鈴置:その通りです。今後、予想される展開は2つ。まず、現状維持――つまり北朝鮮の核武装を黙認する。もう1つは軍事力によって北の核を除去する、です。後者には金正恩(キム・ジョンウン)暗殺も含みます。

 中国もこうした状況は分かっています。米国の動きを見て、原油の禁輸など新たな制裁案に対応すると思います。

高いおカネをかけて核武装に成功。でも、北朝鮮の経済は弱いままです。

鈴置:金正恩政権は核武装によって減らせる通常兵力向け資源を、今後は経済開発に振り向けるつもりでしょう。

 それに韓国に期待できます。運がいいことに韓国には北との融和を唱える左派政権が生まれました。今すぐとは行かなくとも、文在寅政権は「対話」を求め、援助を申し出てくるでしょう。もちろん「現状維持」の場合――金正恩政権が生き残った場合の話ですが。

米国の核か、民族の核か

左派政権だからといって、核武装した北朝鮮と仲良くするものでしょうか。

鈴置:北が核武装したから仲良くするのです。文在寅政権には「米国の核の傘」を頼りにするのではなく、「北の傘」を頼る手ができたのです。それは同じ民族の核なのです。

次回に続く)

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孤立する韓国、「核武装」に走る

■「朝鮮半島の2つの核」に備えよ

北朝鮮の強引な核開発に危機感を募らせる韓国。
米国が求め続けた「THAAD配備」をようやく受け入れたが、中国の強硬な反対が続く中、実現に至るか予断を許さない。

もはや「二股外交」の失敗が明らかとなった韓国は米中の狭間で孤立感を深める。
「北の核」が現実化する中、目論むのは「自前の核」だ。

目前の朝鮮半島に「2つの核」が生じようとする今、日本にはその覚悟と具体的な対応が求められている。

◆本書オリジナル「朝鮮半島を巡る各国の動き」年表を収録

中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』『「中国の尻馬」にしがみつく韓国』『米中抗争の「捨て駒」にされる韓国』 に続く待望のシリーズ第9弾。10月25日発行。