顔をしかめるナウアート米国務省報道官(写真:AP/アフロ 8月9日撮影)

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 韓国が「平和」を名分に掲げ「中立」に動く。それは「北朝鮮との共闘」の入口だ。

「裏切り」に質問が集中

北朝鮮のグアムへの威嚇を期に、韓国が「有事の中立」を宣言しました。

鈴置:8月15日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「光復節」の祝辞ではっきりと、米国による北朝鮮への先制攻撃は許さないと宣言しました(「ついに『中立』を宣言した文在寅」参照)。

 青瓦台(韓国大統領府)の「第72周年光復節祝辞」のその部分を翻訳・引用します。

  • 朝鮮半島で再び戦争を繰り返してはなりません。朝鮮半島での軍事活動は大韓民国だけが決めることができ、誰も大韓民国の同意なくして軍事活動はできません。
  • 政府は何があっても戦争だけは止めることでしょう。

 米国が先制攻撃する際、韓国はそれを止めるし加担もしない、との宣言です。

「中立宣言」に米国はどう反応しましたか?

鈴置:8月15日の国務省の記者会見で「韓国の裏切り」に質問が集中しました。報道官は初めは明確な答えを避けていました。

 が、記者の執拗な質問により、最後は「北朝鮮と戦わない韓国」への疑問を、暗示的にではありますが口にすることになりました。

しどろもどろの報道官

報道官が文在寅演説に関するコメントを避けたのはなぜですか?

鈴置:米国にとって「中立宣言」は明らかな裏切りです。でも、韓国への怒りを表明すれば「米日韓」の対北朝鮮包囲網が崩れたことを認めることになってしまいます。

 国務省の「Department Press Briefing-August 15, 2017」から関連部分を拾います。記者が突っ込むごとに、ナウアート(Heather Nauert)報道官がしどろもどろになっていくのが分かります。

 会見ではまず、北朝鮮のグアム沖へのミサイル発射計画などについて質問が出ました。続いて、文在寅大統領の「韓国政府の許可なくして誰もが軍事行動できない」との発言に関する質疑に移りました。

 ある記者が「それに対する米国の立場は?」と質したのです。報道官は「米韓はいい関係を持っている」「仮定の質問には答えられない」などと誤魔化しました。

 すると記者が「金正恩(キム・ジョンウン)が韓国を奇襲攻撃したら、米国は軍事行動に出るのか」とたたみかけました。それに対し報道官は「韓国は同盟国である。我々は韓国を守る」と答えました。このやりとりの原文は以下です。

  • 質問: What if North Korean Kim Jong-un sudden attack South Korea? Can the United States engage in this military action?
  • 報道官: As you know, South Korea is an ally of ours; and as we do with our allies and friends, we pledge to protect them as well. Okay?