裏切り者への皮肉

「政治的な決定」とは微妙な言い方ですね。

鈴置:皮肉に聞こえるのが「同盟国とは協議する」部分です。米国は朴槿恵(パク・クネ)政権の時から、韓国を腹の底では同盟国と見なさなくなっています(「米国から『同盟国』と呼ばれなくなった韓国」参照)。

 朴槿恵政権が米中等距離外交に乗り出し、米中対立案件ではほぼ米国の意向を無視したからです。「反米親北」の文在寅政権の裏切り方はもっと露骨です。米韓同盟自体をないがしろにしています。

 在韓米軍へのTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)配備も国を挙げて邪魔しています(「『THAAD封鎖』でいよいよ米国を怒らせた韓国」参照)。

 ダンフォード議長は「先制攻撃の時はもちろん連絡する。韓国が本当の同盟国ならな」と皮肉を言ったのだと思います。

THAADも元の木阿弥

「THAADの配備は容認する」と文在寅大統領は姿勢を転換したのでは?

鈴置:ええ、北朝鮮が2回目のICBM(大陸間弾道弾)を発射した直後の7月29日未明、追加配備を認めました(「『北爆』準備は着々と進む」参照)。

 しかし、直ちに元の木阿弥となりました。文在寅政権は再び「住民の支持が必要だ」とか「環境影響評価が要る」などと言い出し、配備は宙に浮いています。

 ブルックス(Vincent Brooks)在韓米軍司令官は、在韓米軍のサイトに掲載された記事「U.S. Forces Korea Commander confident THAAD will enhance Alliance’s defense against North Korean Threats 」(8月1日、英語と韓国語)でTHAADの有効性を改めて説きました。

 韓国政府に配備許可を催促したとも、韓国政府を批判したとも受け止められています。