中国が批判し始めた「ハワイ併合」

日本の新聞が「朝鮮半島出身の人々」としたのも、米政府の訳を尊重したということですね。

鈴置:その通りです。なぜか、全国紙の中で朝日新聞だけは「朝鮮人」と訳していますけれどね。

「日本の植民地支配の不当性」を認めろとの韓国の要求を今回、米国が無視したのはなぜでしょうか。

鈴置:当然の話です。米国だってテキサスやハワイ、フィリピンなどを併合しています。そもそも、日本の韓国併合を真っ先に承認したのは米国です。交換条件としてフィリピンは米国のものと日本に認めさせるためでした。

 いくら「リベラル」が売り物のオバマ大統領だって「米帝国主義の悪行」を容易には認めないでしょう。

 それに今、中国が「ハワイ併合」(1898年)を材料に米国に揺さぶりをかけ始めています。米国とすれば、中国に付け入られるわけにはいかない。

クリントン国務長官に威嚇

ハワイ併合を問題化するのですか?

鈴置:2012年当時、国務長官だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏に対し――現在、民主党の大統領候補ですが、中国の要人がハワイの領有権を主張しました。

 同氏によると、中国による南シナ海の軍事基地化を議論していた際のことだそうです。ハワイが中国領との理屈は、米国による併合以前から中国からの移民が住んでいた、ということでしょう。

 『China 2049』を書いたマイケル・ピルズベリー(Michael Pillsbury)氏も中国のタカ派から「米国が台湾に武器輸出を続けるのなら、ハワイ独立運動の活動家に武器援助する」と威嚇されたそうです。

 いずれのエピソードも「The Washington Free Beacon」という軍事サイトが「Hawaiian Independence Movement Attracts Chinese Interest」という見出しの記事で報じています。