オバマに日本を叱ってもらう

 5月27日にオバマ大統領が献花した慰霊碑は、すべての被爆者を悼むものです。別段「日本人専用」と書いてあるわけではありません。韓国人慰霊碑にも行かせるには理屈が要ると考えたのでしょう。

 朝鮮日報の「広島に行くオバマ大統領へ」(5月16日、韓国語版)。金秀恵(キム・スヘ)東京特派員は以下のように書きました。

  • 朝鮮の人々は植民地支配と原爆で2回、苦痛を受けました。その苦痛に何とおっしゃるのか、広島で見守りたいと思います。

 「植民地支配」はオバマ大統領を韓国人慰霊碑に行かせる理由付けで使われました。が、次第に「オバマ大統領に日本の植民地支配を叱らせ、その不当さを認めてもらう」のも目的となったのです。

新たな対日攻撃カード

「植民地カード」ですね。

鈴置:その通りです。「植民地カード」を磨こう、との意見が韓国で高まっています。もちろん、日本に対し外交的に優位な立場を得るためです。

 安倍晋三首相が2015年8月14日に「戦後70年談話」を発表しました。韓国政府はこの談話に植民地支配に対する謝罪を盛り込ませ、新たな外交カードを作ろうとしました。

 しかし、日本政府にスルリとかわされてしまいました(「『韓国外し』に乗り出した安倍政権」参照)。

 この直後、韓国の元外交官、趙世暎(チョ・セヨン)東西大学特任教授がハフィントンポスト韓国語版に「安倍談話、交戦国と植民地は異なるという優越意識」(2015年8月20日)を寄せました。

 これは翻訳され「安倍首相の『戦後70年談話』に潜む『植民地』への優越感」(2015年8月21日)の見出しで日本語版に載りました。「植民地カード」関連部分は以下です。