核保有を認めよ

米朝首脳会談には意欲を示している……。

鈴置:確かに、金正恩氏は6月12日にシンガポールで予定されていた米朝首脳会談の実現に意欲を示して見せました。しかし、「非核化」に関しては「努力する」と言ったに過ぎません。

 それどころか北朝鮮がこう言った場合、「核は放棄しない」と主張していると見るべきなのです。「自らを核保有国として認めろ。そのうえで米国とは核軍縮を交渉しよう」というのが北の基本的な姿勢です(「しょせんは米中の掌で踊る南北朝鮮」参照)。

 「非核化に向け努力」の「努力」とは核軍縮交渉を指します。5月24日、北朝鮮は核実験場を爆破して見せました。その際も「(実験場の破壊による)核実験の中止は、世界的な核軍縮のための重要な過程である」と表明しています。あくまで「核保有国が軍縮に努力している」との立場なのです。

 米朝首脳会談にいくら意欲を示して見せようが、「核保有国であることを認めろ」と主張し続ける限り、北朝鮮との首脳会談に米国は容易には応じないでしょう。