弱さを売りにするのはやめろ

姜天錫論説顧問も朝鮮人被爆者に言及してはいるのですね。

鈴置:もし、それに一切触れずに「韓国人が追悼の対象かどうかばかりを気にするな」と書いたとします。読者から「我々の苦しみを無視するのか」と抗議が殺到するでしょう。

 そこで韓国人の犠牲者に言及した後、彼らがいまだに狭い視野の韓国人を嘆くであろうと説く――論理構成にしたと思われます。回りくどくなりますが、これなら読者から怒られずに言いたいことも言えるのです。

 韓国のメディアは「日本の悪行」に少しでも関連する記事には、どこかに必ず日本糾弾の言葉を入れるのが約束事です。ヴァンダービルド氏もそれは分かっているでしょう。

 でも、敢えて「反日記事の約束事」に寄りかかる大記者を厳しく批判したのです。ヴァンダービルド氏は記事の最後でこう、記しています。

  • 「100年前と変わらない」との嘆きはこの記事に向けられなければならない。
  • 人間が成長するにつれ、望ましくない習慣は時期が来れば自然になくなる。大の大人になっても周囲から慰めを得ることにだけこだわり、得られなければ不満(嫉妬)を漏らすという未成熟な態度が続けば、韓国を尊敬する国は出てこないだろう。

 「いつまでも弱者であったことを売り物にするな」との怒りです。さらにメディアが、どこかでそんな習慣を断ち切らねば国の格は上がらない、と訴えたのです。

得意技は捨てられない

韓国にも気骨ある人がいるではありませんか。

鈴置:ええ。でも、昔と比べれば数はぐんと減りました。ほぼ、絶滅状態です。慌てて付け加えれば、日本も他人のことは言えませんが。

結局、韓国は「尊敬される国」になるのでしょうか。

鈴置:その質問は「弱者であることを卒業するか」つまり「歴史カードを捨てるか」という質問になるわけですが、簡単ではないと思います。

 「歴史カード」の活用は対日外交の基本ツールとして定着したからです。柔道などで、得意技を容易には捨てられないのと同じです。楽ですからね。

でも、「弱者を売り物にする韓国」を日本は突き離しそうです。

鈴置:その時はまた、米国や中国を頼みにしていくでしょう。今回の韓国メディアの「ヒロシマ騒動」を見てもそれは明らかです。日韓が大人の関係になることはまず、ないでしょう。

次回に続く)

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米中抗争の「捨て駒」にされる韓国

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