GDP比では韓国は優等生

鈴置:この分野で有名な、朝鮮日報のユ・ヨンウォン軍事専門記者は「トランプの主張を受け入れ米軍の韓国駐留経費を100%負担すると、韓国の支払いは年間9320億ウォン(1ウォン=約0.09円)から2兆ウォン程度に倍増する」と推算しました。

 「トランプの望み通りにするなら……韓国が出す米軍負担金は9320億→2兆ウォン」(5月6日、韓国語版)という記事です。

 そして同じ日に「米軍防衛費負担、GDP比重で考えれば韓国が最高水準」(韓国語版)も書きました。韓国政府の主張を紹介した記事です。骨子は以下です。

  • 政府当局者は「米軍駐留費用の(受け入れ国による)負担比率に関して言えば、韓国は日本よりも低いが、ドイツなどNATOより高い。とはいえ、GDP基準で考えれば、我々が世界最高の負担水準にある」と分析している。

日本は75%負担

 計算方式にもよりますが、日本は米軍駐留経費の50-70%を負担しているとされます。米国防総省が2004年にまとめた「2004 Statistical Compendium on Allied Contributions to the Common Defense」にもデータがあります。

 この手の統計はあまり公開されないためか、少し古いのですがあちこちで引用されます。それによれば日本は直接・間接的な支援を合わせ、米軍駐留経費の74.5%を払っています(B-21ページ)。

 韓国は40.0%(B-22)、ドイツは32.6%(B-7ページ)です。何でも日本と比較される韓国とすれば、こんなデータを持ち出されたらかなりまずい。そこで韓国政府は「GDP比」という、自分に都合のいい概念を考え出して対米交渉に臨んできたのでしょう。

 もっとも韓国政府が計算したという対GDP比の韓国の数値は0.068%。ドイツの0.016%と比べればはるかに大きいのですが、日本の0.064%とはほぼ同じ水準です。