金正恩も疑う?

トランプ大統領は文在寅大統領の「仲人口」に騙されたのでしょうか。騙されたフリをしているのでしょうか。

鈴置:そこです。関係者は「韓国の特使団がトランプ大統領に会って報告する前に米政府は、金正恩委員長の首脳会談への意向を詳細につかんでいた」といいます。

 トランプ大統領が韓国特使団との会談の場で、北朝鮮との首脳会談を即決してみせたことから見ても、それは事実でしょう。

 米国の情報力を考えると、トランプ大統領は騙されたフリをして金正恩委員長を会談におびき出し「核を直ちに放棄するか否か」と迫る作戦を採用した可能性もあるのです。

 今、金正恩委員長も頭を悩ませているでしょう。「文在寅は我々と組んでいるように見せて、実は米国の手先ではないのか」「文在寅の仲人口を信用していいのか」と。

3月13日、ティラーソン(Rex Tillerson)国務長官が解任されました。

鈴置:3月末に退任します。後任はポンペオ(Mike Pompeo)CIA長官です。金正恩体制の打倒を堂々と主張してきた人です(「『金正恩すげ替え論』を語り始めた米国」参照)。

 「金正恩の悩み」はますます深まったでしょう。とりあえずは「時間稼ぎ」に出るでしょうが、それがうまくいく保証はますます減った。では白旗を掲げて降参するか、あるいは徹底抗戦するか――。注目すべきは北朝鮮の出方です。

次回に続く)

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孤立する韓国、「核武装」に走る

■「朝鮮半島の2つの核」に備えよ

北朝鮮の強引な核開発に危機感を募らせる韓国。
米国が求め続けた「THAAD配備」をようやく受け入れたが、中国の強硬な反対が続く中、実現に至るか予断を許さない。

もはや「二股外交」の失敗が明らかとなった韓国は米中の狭間で孤立感を深める。
「北の核」が現実化する中、目論むのは「自前の核」だ。

目前の朝鮮半島に「2つの核」が生じようとする今、日本にはその覚悟と具体的な対応が求められている。

◆本書オリジナル「朝鮮半島を巡る各国の動き」年表を収録

中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』『「中国の尻馬」にしがみつく韓国』『米中抗争の「捨て駒」にされる韓国』 に続く待望のシリーズ第9弾。2016年10月25日発行。