始まった暴力沙汰

2つの集会の間で衝突は起きないのですか?

鈴置:いずれもソウル一番の大通り、世宗路で開かれます。「ろうそく」は北の方に、「太極旗」は南の側に集まります。警察はその間に2万人弱の機動隊を置いて衝突を防いできました。

 とは言ってもごく近い場所で開くので、韓国メディアは左右対立が激化する中、物理的な抗争が起こるのではないかと懸念しています。

 2月25日には両派の間で小規模ながら暴力沙汰が起きました。中央日報の「太極旗集会で引火物質携帯していた60代の男を立件=韓国」(2月26日、日本語版)が伝えています。

理念闘争に明け暮れた日々

第2次朝鮮戦争が起きるかもしれないという時に、当事者の韓国は……(「弾道弾と暗殺で一気に進む『北爆時計』の針」参照)。

鈴置:内輪もめです。朝鮮日報は社説「新幹会90年、統合運動の烈士が嘆く子孫の分裂」(2月16日、韓国語版)で、次のように嘆きました。

  • 北朝鮮の核が民族の生存を危険にさらし、周辺の強大国の争いが日増しに激しくなるというのに、我が政界では党派が四分五裂し、自分の利益を守るのに血眼になっている。
  • 大統領の弾劾を巡る憎悪と敵対感を見るにつけ、国連の信託統治に賛成か反対かに分かれ、生きるか死ぬかの理念闘争に明け暮れた解放直後を思い出す。

 韓国の指導層も状況は十分に理解しています。でも、どうにもならないのです。

(次回に続く)

大好評シリーズ最新刊 好評発売中!
Amazon「朝鮮半島のエリアスタディ 」ランキング第1位獲得!
孤立する韓国、「核武装」に走る

■「朝鮮半島の2つの核」に備えよ

北朝鮮の強引な核開発に危機感を募らせる韓国。
米国が求め続けた「THAAD配備」をようやく受け入れたが、中国の強硬な反対が続く中、実現に至るか予断を許さない。

もはや「二股外交」の失敗が明らかとなった韓国は米中の狭間で孤立感を深める。
「北の核」が現実化する中、目論むのは「自前の核」だ。

目前の朝鮮半島に「2つの核」が生じようとする今、日本にはその覚悟と具体的な対応が求められている。

◆本書オリジナル「朝鮮半島を巡る各国の動き」年表を収録

中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』『「中国の尻馬」にしがみつく韓国』『米中抗争の「捨て駒」にされる韓国』 に続く待望のシリーズ第9弾。10月25日発行。