「その他大勢」の扱いに

「お仕置き」ですか!

鈴置:韓国人は「米国が韓国に対し鼻血作戦に乗り出した」とも言い合っています。保守系サイト、趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムに、ヴァンダービルドのペンネームで論陣を張る外交安保専門家が「断想 米国から見た時、韓国は今やその他大勢の扱い」(2月18日、韓国語)を載せました。

 ヴァンダービルド氏も東亜日報の社説と同様「韓国は米国から同盟国の扱いをされなくなった」と指摘しましたが、表現はもっと過激です。結論部分を訳します。

  • 米国の目には、すでに韓国が(対米鉄鋼輸出が多いうえ、米国と同盟関係にないか、あっても結びつきが弱い)中国、ロシア、タイ、南ア共和国、コスタリカ、エジプト、マレーシアと同様に分類されるようになったという傍証だ。
  • もう米国の同盟国ではなく、その他大勢の扱いになったということだ。やはり、世の中は自分でまいた種は自分で刈り取らなければならぬ。因果応報、すべての過ちは必ず正しい道理に帰する法則が強く働くのである。

 「鼻血作戦」が言及されたのは、この記事のコメント欄です。ある読者が「『韓国がまず鼻血を流すことになる』との指摘が着々と現実になってきましたね」と書き込みました。これに対し、ヴァンダービルド氏は「その表現は(先に)ほかの方が書かれています」と答えたのです。

 「鼻血作戦」は対北朝鮮用の威嚇戦術を指します。ミサイルの発射台などを限定的に攻撃することで米国の本気度を示し、北に核・ミサイル開発を放棄させる狙いです(「次の焦点は平昌五輪前日の軍事パレード」参照)。

 米政府当局者が直接言及したことはありませんが、2017年末に英メディアが「米政府が鼻血作戦を検討し始めた」と報じて以来、すっかり有名になりました(「2018年『北の核』は軍事攻撃か体制崩壊で決着」参照)。

因果応報の韓国

米国にとって、韓国は北朝鮮よりも先にやっつける対象になった、ということですね。

鈴置:その通りです。韓国に対しては軍事力ではなく、経済力でダメージを与えるという違いはありますが。ヴァンダービルド氏が言うように、因果応報です。

 文在寅政権は平昌(ピョンチャン)冬季五輪を名分にやりたい放題。五輪に参加した北朝鮮選手団らの費用、28億6000万ウォン(約3億円)を韓国政府が持つことにしました。

 北朝鮮にカネが流れないよう日米が世界各国に協力を要請し、追い詰めてきたというのに、韓国が金融包囲網に風穴を開けたのです。

 韓国は、国連の渡航禁止対象に指定されている崔輝(チェ・フィ)国家体育指導委員長の受け入れも画策。五輪の成功を理由に入国を認めるよう国連に要請し結局、許可を得ました。

 米韓合同軍事演習も米国に頼み込んで、五輪・パラリンピック期間(2月9日から3月18日)の後にずらしてもらった。これにより、北朝鮮は安心して2月8日に軍事パレードを開けたのです(「次の焦点は平昌五輪前日の軍事パレード」参照)。

 というのに平昌五輪に合わせ、韓国を訪問した金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長に対し、文在寅大統領は非核化を一切要求しなかった。

 韓国政府は「五輪休戦」により外交の主導権を握ったと考えました。北朝鮮は合同演習も延期ではなく完全廃止を要求していますから、南北首脳会談の開催を名分に韓国が米国に再延期を要求する可能性があります。