米国説得にも日本が要る

 趙甲済氏の主宰するサイトで、匿名で外交を論じるヴァンダービルド氏も「日韓同時の核武装」を主張しました。「冷や水浴びせた中国、残るは自救策のみ」(1月28日、韓国語)です。

 興味深いのは、日本の核武装論は対米圧力に使えると論じたことです。「日韓協調」の目的も、実現が難しい「北の核廃棄」よりも「韓国の核武装」に置いています。つまりブラフの要素は一切なく、日韓で一緒に核武装しようとの明快な主張です。以下です。

  • 自衛的核開発のためには同盟国である米国の説得と、韓国同様に北朝鮮の核の被害者である日本との相互協力が重要だ。
  • 技術的にはまず日本を説得して同じ舟に乗り、それから米国を説得するのが容易だろう。
  • 日本は韓国単独の核開発に反対する可能性が高い。そこで「韓日共同開発」か「韓日がそれぞれに開発する」ことを日本に提案し、その支持を得れば両国はすぐさま同志となる。
  • 国際社会での影響力が相対的に大きい日本が、韓国と協力して米国と国連など国際社会を説得し、北の脅威に晒されている特殊性を認めてもらえば意外と可能ではないか(第3国の支持を得るために日本が支援などを提供する方法もあり得る)。

韓国人は信用されない

なるほど、本気の「日韓同時の核武装論」ですね。

鈴置:韓国の指導層には「我々は米国に信用されていない」との思いが根強い。例えば前回の「『在韓米軍撤収』を保守も主張し始めた」で紹介した、以下のニクソン(Richard Nixon)大統領の発言は韓国ではとても有名です。

  • 朝鮮人は、北も南も感情的に衝動的な(emotionally impulsive)人たちです。私たちは、この衝動と闘争的態度が私たち(米中)両国を困らせるような事件を引き起こさないよう影響力を行使することが大切です。

 1972年2月に訪中した際に周恩来首相に語ったものです。『ニクソン訪中機密会談録』の100ページに出てきます。原文は「Nixon's Trip to China」の「Document 2」の17ページですが、1994年に公開されてからというもの「韓国人が米国に信用されていない証拠」として韓国紙でしばしば引用されてきました。