身から出た「韓国包囲網」
日中関係は極めて悪い。でも、あうんの呼吸とはいえ、両国が歩調を合わせて韓国を圧迫するとは面白い構図ですね。
鈴置:韓国の小賢しい二股外交が破綻したのです。米―中、日―中と周辺大国を競わせる手口を韓国――ことに朴槿恵政権はとってきました。
スワップもそうです。日本に対しては「韓国が中国だけとスワップを結ぶことになると、日本の影響力が落ちるぞ」と脅してスワップを取り付ける。中国にはその逆をやればいいわけです。
2008年にこれで成功し味をしめた韓国は、今回も同じ手を使うつもりでした(「またも、スワップで日中を天秤にかける韓国」参照)。
でも、これには限界があります。しょせん、韓国は「頼む側」なのです。韓国の不実さが限度を超すと、日中両国が怒り出します。これから始まる金融面での「韓国包囲網」結成は当然の結果です。
韓国は困り果てています。新聞紙上では「日本との合意を守って、大使館など日本の公館前に設置された慰安婦像の撤去に努力すべきだ」との意見も語られるようになりました。
(次回を読む)

■「朝鮮半島の2つの核」に備えよ
北朝鮮の強引な核開発に危機感を募らせる韓国。
米国が求め続けた「THAAD配備」をようやく受け入れたが、中国の強硬な反対が続く中、実現に至るか予断を許さない。
もはや「二股外交」の失敗が明らかとなった韓国は米中の狭間で孤立感を深める。
「北の核」が現実化する中、目論むのは「自前の核」だ。
目前の朝鮮半島に「2つの核」が生じようとする今、日本にはその覚悟と具体的な対応が求められている。
◆本書オリジナル「朝鮮半島を巡る各国の動き」年表を収録
『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』『「中国の尻馬」にしがみつく韓国』『米中抗争の「捨て駒」にされる韓国』 に続く待望のシリーズ第9弾。10月25日発行。
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