韓国は自業自得

7月まで待てるのですか?

鈴置:「今すぐ攻撃せよ」と主張する人もいます。「手をこまねいていれば手遅れになる」との理由です。

 その1人が日本でも戦略家として有名になった、米CSIS(戦略国際問題研究所)シニア・アドヴァイザーのルトワック(Edward Luttwak )氏です。Foreign Policyの「It’s Time to Bomb North Korea」(1月8日)で「即時空爆」を主張しました。

 完訳ではありませんが、ニューズウイーク日本版の「南北会談で油断するな 『アメリカは手遅れになる前に北を空爆せよ』」(1月9日)でも読めます。

 韓国人が読んだら気が滅入る内容です。「北朝鮮が韓国に対しロケット砲で反撃するだろうが、それは気にするな」と書いています。

なぜ「気にするな」なのでしょうか。

鈴置:韓国の自業自得だからです。ルトワック氏は「ソウルは北朝鮮の攻撃に脆弱だから官公庁を南方に後退させ、民間企業にも移動のインセンティブを与えよ、と米国は前々からアドバイスしてきた。しかし韓国政府は耳を貸さなかった。ミサイル防衛網を作るべき予算も、日本を攻撃するための戦闘爆撃機につぎ込んできた」と説明しています。

見抜かれた「離米従中」

「韓国は捨て駒」ということですね。

鈴置:その通りです。ルトワック氏は韓国が「離米従中」の国になった、とも書いています。同盟国をいとも簡単に裏切る国の安全を、米国が考慮する必要はないのです。

 米国人は韓国人が考えるほど馬鹿ではありません。韓国の「離米従中」に外交関係者はとっくに気がついている。ルトワック氏のようにはっきりと言う人が少ないに過ぎません。

 米国が「五輪休戦」に合意したのだって、韓国を疑いながらも北朝鮮に核を捨てるよう呼びかける最後のチャンスを与えたのです。

 「必要なら手段をいつでも変えられる冷血漢」はトランプ大統領だけではないのです。国の安全に責任を持つ人は皆、そうです。

 そこを勘違いして「トランプの力添えを得た。文在寅外交の大勝利だ」と韓国人同士でハイタッチ。日本人に対しては「俺の後ろにはトランプがいるぞ。恐れ入ったか。安倍を五輪に送れ」と肩をいからす――。

 「根拠なき有頂天」を懸念する韓国人も、いるにはいるのですが、さて、どうなることやら。

(次回に続く)

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孤立する韓国、「核武装」に走る

■「朝鮮半島の2つの核」に備えよ

北朝鮮の強引な核開発に危機感を募らせる韓国。
米国が求め続けた「THAAD配備」をようやく受け入れたが、中国の強硬な反対が続く中、実現に至るか予断を許さない。

もはや「二股外交」の失敗が明らかとなった韓国は米中の狭間で孤立感を深める。
「北の核」が現実化する中、目論むのは「自前の核」だ。

目前の朝鮮半島に「2つの核」が生じようとする今、日本にはその覚悟と具体的な対応が求められている。

◆本書オリジナル「朝鮮半島を巡る各国の動き」年表を収録

中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』『「中国の尻馬」にしがみつく韓国』『米中抗争の「捨て駒」にされる韓国』 に続く待望のシリーズ第9弾。2016年10月25日発行。