コンビニのメーン商材である弁当は使用する具材の種類も多く、盛り付けにも人手を要してきた。三菱商事はグループ会社の協力を得て、盛り付けロボットの開発に注力している。だが、最新のロボット技術を投入しても複雑な人の動きを再現するのは難しく、試行錯誤が続く。
(日経ビジネス2017年10月16日号より転載)
自動車などの製造現場では以前からロボットを活用してきたが、今後は中食業界でも導入が進みそうだ。ローソンを2017年2月に子会社化した三菱商事は、コンビニエンスストア向け弁当の製造工程を自動化すべく、ロボットの導入に積極的に乗り出した。
●弁当の盛り付けに使う主なロボット

同社は弁当や総菜の製造を手掛ける神奈川県厚木市の中食製造工場に、5台のロボットを試験導入。幕の内弁当などの盛り付けラインの一部を自動化した。従来は13人で行っていた作業を10人に削減できた。
人手不足が死活問題となっている飲食業界では、今まで人手に頼らざるを得なかった工程にも、ロボットを導入し始めている。例えば外食業界では、牛丼チェーン大手の吉野家が、店舗での食器洗浄工程にライフロボティクス製の協働ロボットを1店舗で導入。従業員の洗浄作業時間の20%以上の削減に寄与している。中食業界では、リンガーハットが持ち帰り用生ギョーザの店舗でのパック詰めに、スイスABBの協働ロボットを数店舗に導入済みだ。
中食業界において特に人手を要する商品の一つが、弁当だ。コンビニやスーパーなどでは多種多様な弁当が並ぶ。1つの弁当には10種類以上の具材が入ることが多く、それらの盛り付け作業は、通常12〜15人掛かりで行っている。例えば中食製造大手の武蔵野は、コンビニ向けなどの弁当を製造する工場にロボットを導入。弁当内部の容器に蓋を付ける作業については自動化した。弁当の盛り付け工程にもロボットを導入すべく数年前から取り組んでいるが、同社の担当者は「現場へ本格導入するまでの道のりは遠い」と漏らす。
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