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欧州には既に7万の充電ステーションが

プレミアムEV市場は、テスラがリードしており、またジャガーがそれに追随してきました。アウディは後発となるわけですが、優位性はどこでしょうか?

ヒア:e-tronは真のアウディです。アウディらしいデザイン、先進技術、安全性能、大人4~5人分の快適なスペース、日常での使いやすさ。そして素晴らしい運動性能を備えています。完全な電動化された初のクワトロ(四輪駆動)です。従来の機械的なものに比べて非常に効率的かつダイナミックです。次に充電性能の良さがあります。市販車として初めて最大150kWのDC(直流)急速充電が可能です。約30分で8割の充電が可能です。またAC(交流)充電でも11kWまたは22kWにも対応しています。

試乗の中継地点に設置されていた150kWの急速充電器。

150kW! それはすごい。しかし、いまの日本にはそんな充電施設はありません。急速充電のCHAdeMOでもせいぜい50kWです。欧州では、すでに高出力充電ステーションの設備が整っているのでしょうか?

ヒア:充電ステーションの最新の数ですが、欧州の充電ステーションは現在7万箇所という巨大なネットワークがあります。さらにVWグループとダイムラー、BMW、フォードのジョイントベンチャーである急速充電ネットワーク「IONITY」によって、2020年までに欧州で高速充電スタンド6~8機を備えた充電ステーションを400箇所ほど導入する予定です。これは欧州では、120km毎に一つ充電ステーションができる計算です。充電カードも不要で、プラグインによって通信が行われ、自動的に請求される仕組みです。

なるほど。日本でもEV普及の鍵を握るのは充電インフラだと思いますが、なかなかそこまでは整備が進んでいないのが現状です。だから長距離を走るのは不安だし、日本はEV先進国であるにもかかわらず普及が進んでいません。e-tronの一充電可能距離は400km以上とのことですが、数字としてはそれで十分だと考えますか?

ヒア:リサーチの結果、ほとんどの顧客は平日は多くても1日あたり100~150kmの走行でカバーできます。帰宅して家で充電すれば翌朝にはフル充電になります。出張や休暇で遠出する場合は、米国はElectrify America、欧州のIONITY、などの高出力充電ステーションを利用すれば問題ありません。ちなみにe-tronは日本のCHAdeMOにも対応しています。

アウディはe-tronというプレミアムセグメントからEVを始めるわけですが、今後はどのように展開していくのですか?

ヒア:プレミアムセグメントから始める理由はいくつかあります。まずはアウディの顧客が大型SUVであることは望んでいるから。そして現時点ではバッテリーは非常に高価であること。小型車から始めようとするとさまざまな点で妥協が必要になりますが、我々はそれを望んでいませんでした。今後、アウディは2019年にe-tron Sportbackを、2020年にはコンパクトEV、2020年以降にはe-tronGTの生産を開始し、2025年までに10モデル以上のEVを投入しEVが占める割合は およそ30%、年間80万台という規模を目指していきます。私個人としても、内燃エンジンのパワートレインよりもEVのほうが好きです。従来のアウディのお客さまにもぜひ一度試していただきたいと思っています。