40代半ばともなると、小さい字が読みにくくなってくる。これが老眼。医学的には「完全矯正下で40cm視力が0.4未満」と定義されている。つまり、裸眼や近視用の眼鏡をかけた状態で、目から40cm先のものが見えにくくなることだ。
「原因は水晶体の硬化。進行度合いに個人差はあるが、全ての人に起こる現象」と、南青山アイクリニック(東京都港区)の戸田郁子院長は説明する。


眼球においてレンズの役割を担う水晶体はもともと柔軟な器官だ。周囲についている毛様体筋という筋肉の動きで、近くを見るときは水晶体が厚くなってピントが合う。ところが年を取ると水晶体が硬くなり、変形しにくくなる。実は、水晶体の硬化は10代のうちから始まっている。40代になると40cm先にピントが合いにくくなり、読書に支障を来すようになるわけだ。
老眼は放っておいても進行が早まるわけではないが、ピントが合わないものを無理に見ようとする負担は大きく、「頭痛や肩こりの原因にもなる」と戸田院長。早めに手を打った方がいい。
対策は眼鏡(老眼鏡)、コンタクトレンズ、手術に分けられる。
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