効率化を意識したCEOの施策により、1996年には主力車種911と多くのコンポーネントを共用するミドシップ2シーターオープンカー、ボクスターが誕生する。とはいえ、当時は911とボクスターのみのスポーツカー専業メーカーだったポルシェの年間生産台数は3万2390台。プリウスであれば日本国内で販売されるわずか2カ月分の台数、といったところだった。

 2000年、ライプツィヒ工場の基礎工事がはじまる。それはポルシェ初のSUV、カイエンの導入を見越してのものだった。カイエンは2002年に発売されるや大ヒットとなり、この年の年間生産台数は、一気に7万3284台に伸びた。その後も右肩上がりで生産台数を増やし(さすがにリーマンショックでは落ち込んだが)、2015年の生産台数は22万5121台。この20年でほぼ7倍になっている。

いざ、最新工場へ

 カイエンが約7万台、より小型のSUV、マカンが約8万台とこの2車種で半分以上を占める一方で、911やボクスター、ケイマンといったスポーツカーの生産台数も減少することなく、この数年間は合わせて5万台以上をキープし続けている。新分野を切り拓きつつ、従来の商品も競争力を失っていない。この辺がポルシェの強みといえるだろう。

 そしてライプツィヒ工場では2014年から、2代目パナメーラの量産開始にむけ約5億ユーロを投資した拡張工事が実施された。先日、2年越しの工事の完成を機に、新ラインの一部が報道陣向けに公開された。

工場の象徴であるメインエントランス。顧客向けの工場見学ツアーやドライビング講習会も実施される
工場の象徴であるメインエントランス。顧客向けの工場見学ツアーやドライビング講習会も実施される

 まず目にしたのは、新しい大型FR(フロントエンジン・リアドライブ)モジュラーコンポーネント「MSB」のボディショップだ。ここでは約200名のスタッフ、500台のロボットが働いており、最大6車種、年間最大約6万ユニットが製造可能という。パナメーラをはじめ、先日発表されたパナメーラのロングバージョンも生産開始しており、今後はシューティングブレークバージョン(リアにラゲッジスペースがあるワゴンタイプ)も追加される予定となっている。

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