ポルシェが作った4ドアセダン「パナメーラ」が今年2代目にモデルチェンジした。前回(「探れ、ポルシェの“秘伝のタレ”」「『ポルシェらしさ』の正体は何か」)は開発責任者や開発ドライバーに話を聞いたが、今回はポルシェを実際にどうやって作っているのか、生産の現場をのぞいてきた。その模様をお届けする。

新型パナメーラのラインアップ。ターボ、4S、プラグインのEハイブリッドなどもある(写真:ポルシェジャパン、以下同)

 ポルシェの本社があるのはドイツ南西部の都市シュトゥットガルト。ちなみにメルセデス・ベンツの本社もここにあり、いずれもミュージアムを併設するので、観光の際はハシゴするのがおすすめだ。

 その本社工場から北東へ約500km、旧東ドイツ領のライプツィヒに、ポルシェにとって2つ目の工場、ライプツィヒ工場がある。2002年に初代カイエンの生産で稼働を開始したこの工場は、ポルシェの急成長と軌を一にしてきた。2003~2006年に1270台限定のスーパーカー、カレラGT、2009年からはパナメーラ、2013年にはマカンの生産を始めている。それにともない従来は組み立て専門工場だったライプツィヒはボディショップとペイントショップ、さらにはテストコースも備えた総合工場へと発展していった。

ライプツィヒ工場全景。テストコースを併設し、開発はもちろん全数走行テストもここで実施される

「トヨタ式」で蘇ったポルシェ

 ポルシェの生産台数の歴史を振り返ってみよう。1990年代初頭、ポルシェは販売不振と高コスト体質により倒産の危機を迎えていた。そこで、1993年にCEOに就任したヴェンデリン・ヴィーデキング氏が取り入れたのが、徹底的に無駄を排除し、必要なものを必要なときに必要なだけ作るトヨタ式生産方式(最近ではリーン生産方式と呼ばれる)だった。