皮膚から薬を投与する経皮吸収型の投薬技術が進化している。痛みや副作用が少なく、体への負担が軽いなどの利点を持つ。痛くない注射針「マイクロニードル」も本格的な実用化への道が開けつつある。
風邪をひくなど、病気にかかったりした際、体内に薬を送り込む方法はいくつかある。ぱっと頭に浮かぶのは、薬を飲む経口投与や、点滴など注射による投与。しかしここ最近、薬物を皮膚の表面から投与して血中に導入する投薬技術、「経皮吸収」が実用化へ向け進化を遂げている。
肌に400個の穴を開け薬を投与──。こう聞くと、思わず顔をしかめたくなる方が大半だろう。しかし、「実際はほとんど痛みを感じません」。こう話すのは、日東電工のメディカル事業部ビジネス開発部の西尾信彦課長。同社では現在、熱で皮膚に穴を開け薬を投与する「マイクロポレーション」と呼ばれる技術の開発を進めている。
使用するのは、手に収まる大きさの小さな機器。金属のプレートを肌に押し当て電気を流し、皮膚の表面上に多数の小さな穴を開ける。それらの穴を覆うように、薬剤を染み込ませたばんそうこうのようなテープを貼り、穴を通じて体内に薬を浸透させる。


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