かつて日本では1990年代初頭にバブルが崩壊し、1992年に逆依存人口比率が下落に転じた後も表面的には経済成長が続きました。名目GDPがピークを迎えたのは1997年のことです。言い換えるならば、日本経済はバブル崩壊後も7~8年はもったということです。これはその間、銀行が「ゾンビ企業」に対し追い貸しを行い、延命させていたからです。このため、1989年に200%を超えた民間債務比率はその後も増え続け、1993年になってようやく下落に転じました(図5)。

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 同じことはいまの中国でも起きており、民間債務比率は2015年に200%の大台を超えた後も増え続けています。ちなみに、この200%という水準は日本のバブル崩壊、スペインの住宅バブル崩壊をもたらした水準です。

経済の推進要因失われる一方、巨額の債務負担が

 BIS(国際決済銀行)によると、中国の民間債務残高は約29兆ドル(2018年3月末)で、2008年末以降、23兆ドルも増加しました。同期間における世界債務の増加額39兆ドルに対し、その6割が中国による借入だったわけです(図6)。

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 かくも債務が極大化した段階で、昨年秋以降、米国金利が上昇し、それが全世界に波及し始めました。中国の長期金利も2016年10月の2.66%から今年1月には3.98%になっています。このため民間部門の利払い負担は増しており、筆者の試算では直近は名目GDP(国内総生産)の7.9%に相当します。これは2000年のITバブルや08年のリーマン危機直前の米国とほぼ同じ水準です(図7)。

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 いまの中国は、若者人口や逆依存人口比率の増加という経済推進要因が失われる中、巨額の債務負担が残された形です。これは1990年代後半の日本と同じ構図です。果たして中国はこの人口動態上の難所を無事やり過ごすことができるのでしょうか。

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