自動運転のカギ、デジタル地図

狩集: データの話でもあるのですが、高精度のデジタル地図をどう用意するか、そしてどうメンテナンスするか、それが自動運転の大きな、ひょっとすると最大の課題になっています。

 道路工事が始まったら、そのことが地図にリアルタイムで反映されないと困る。何も知らずに自動運転で進んでいったら、工事にぶつかる。障害物センサーがあるから自動で止まることは止まりますが。

野中: 土木や建築の世界で一番大きいイノベーションは測量の分野ではないかと思っています。かつては航空測量をしていたものが、今はドローンで簡単にできる。しかも最近は3Dスキャナーというものがあり、木が生えていても地形を計測し、3次元データで記録できる。

新技術3 ドローン測量
新技術3 ドローン測量
測量分野のイノベーションは大きい
ドローン測量のメリットは大きい。上は2016年3月に宮城県南三陸町で行われた90ヘクタールの土地の測量のケースでの比較。人が測量する従来の場合と比べて期間は十分の一(3日)に短縮、コストは2分の1(数百万円)に抑えられたという
新技術4 3D測量
新技術4 3D測量
測量データを3次元データで記録
3D測量で計測した点群データのキャプチャー画面。交通・都市整備工事において、都市の機能を停止することなく測量作業を高精度に実施できる。測量した点群データをCADソフトやGIS(地理情報システム)に取り込めるため、施工管理や作業精度の向上が見込める。2016年6月には、大林組が首都高速道路・羽田線の更新工事現場に計測車両を持ち込み、都市機能を停止させずに路上構造物の現況測量を実施している。図は大井北埠頭橋から見た首都高羽田線の東品川桟橋付近のもの(提供:大林組)

 自動車の事故や故障があったら、それもリアルタイムで把握し、地図に反映することはできる。通信トラフィックの問題があり、すぐそうはならないかもしれませんが、そういう時代が来ることを考えてどういう備えをしておくか。

戸川: 道路工事についていえば、やるべきところはすぐ直し、やらなくてよいところはやらない、となることを期待しますね。車を運転していると、なぜまたここを工事するのか、ちょっと前にやっていたじゃないか、と思うことが多いので。これも可視化の話の一例になりますが。

野中: 道路や橋などインフラの維持管理のあり方についての疑問ですよね。インフラの老朽化が進んでいるのでメンテナンスは重大なテーマです。橋にセンサーを埋め込んで、チェックしようという取り組みはあります。データは無線で飛ばせますし、橋の振動で発電すれば電源もいらない。すごく期待は高いのです。ただし、集めたデータをどう使うか、という課題もある。

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