送金や貿易などのコストを削減

国内では67兆円の市場が眠る
●分野別の潜在的市場の予想
<span class="pink2gyo">国内では67兆円の市場が眠る</br>●分野別の潜在的市場の予想</span>
注:経済産業省の資料を基に本誌作成

 全国銀行協会は、各銀行が共同でブロックチェーンを使える環境を整備する方針だ。決済システムなどへの応用で金融機関の運営コストは10分の1程度まで下がるとの見方もある。コストを圧縮できれば、送金などにかかる手数料などを減らせるだろう。

 データが改ざんされる恐れがなくなると、情報の正しさを「認証」する作業も不要になりコスト削減につながる。

 貿易業務でブロックチェーンを活用しようと取り組むのが、NTTデータだ。貿易では関係する機関が多く、取引に伴う情報の確認作業が雑多で複雑にならざるを得ない。しかも現時点では、紙の書類を基に確認作業をしているケースが多いという。ブロックチェーンであれば、正しさが保証されたデータが各関係機関のコンピューター上で常に更新されるため、大幅に確認の手間が減る。NTTデータの愛敬真生氏は「ブロックチェーンが応用できれば、確認作業にかかる人件費や書類送達費の削減が期待できる」と話す。

 「月額」で料金を支払うのが一般的な電気や水道も、ブロックチェーンで大きく変わる可能性を秘める。利用量に応じてその都度、リアルタイムで料金を支払う仕組みが構築できるからだ。

 ITベンチャーのNayuta(福岡市)は、利用時間に応じて電気料金を課金できる電源ソケットを開発した。カフェやマンションの共用スペースでの利用を想定している。銀行口座を使って決済すると、数円の電気代以上の手数料がかかりかねない。仮想通貨が普及すれば少額決済が容易になり、新たなビジネスチャンスにつながりそうだ。

 ブロックチェーン技術は発展途上で、仮想通貨などでは法制度の整備に課題を残す。一方で、情報管理や決済などでかつてないイノベーションを起こす潜在力を秘めているのも事実だ。経済産業省は今後、流通や契約取引などの分野でブロックチェーンが使われ、国内の潜在的な市場は67兆円に達すると予測する。幅広い産業で普及が加速しそうだ。