CATLの電池セル自動化製造工場

 中国民族系大手自動メーカーの吉利汽車が9月、約1300億円を投じEV向けリチウムイオン電池(LIB)工場を建設することを発表。中国LIB業界に一石を投じた。中国政府の新エネルギー車(NEV)シフトによりLIB需要が増加。中国は世界LIB製造工場としての地位確立に向け突き進む。一方、過剰なLIB生産能力、NEV補助金の減額、素材価格の上昇などを受け、地場LIBメーカーは厳しい経営環境に直面する。中国LIB業界にはすでに、再編の荒波が押し寄せてきている。

市場拡大で地場メーカーが躍進

 中国政府は、NEV消費を喚起するための補助金制度や、企業のNEV生産が義務付けられるクレジット制度など、一連の政策を実施。NEV市場の育成を推進してきた。中国のNEV販売台数は2014年の7.5万台から17年の77.7万台へと急速に伸びており、25年には700万台に達する見込みだ。

 これを受けて地場LIBメーカーが一斉に増産に踏み切ったため、中国のLIB出荷量は17年に36ギガワットに達し、3年連続で世界首位となった。国内のLIB需要は地場メーカーを世界水準に押し上げ、寧徳時代新能源科技(CATL)、BYDなどの民族系メーカー7社が17年の世界LIB出荷量のトップ10にランクインした。