話が横に逸れてしまいましたが、米国でも、1860年代の南北戦争や1930年代の大恐慌時には金価格が2倍以上になっています。もっと古くまでさかのぼれば、イタリア・ジェノアでも、節目の1620年に金利1%台という超低金利局面が終焉を迎えています。これは宗主国のスペインが経済破綻したことが原因でした。
トランプ大統領の登場は大変動を象徴
では、これから2030年に向けて、そんな「非常識」な変化が起きるのでしょうか。かくいう筆者も「今回は違うだろう」と思っていたのですが、英フィナンシャル・タイムズ紙に掲載されたキッシンジャー元米国務長官のインタビュー記事を読んで、考えが変わりました。いわく、「一つの時代の終わりにはその幕引きをする人物が現れる、それがトランプ米大統領だ」。つまり、「世界的な幕末」だからこそ、それにふさわしい「非常識」な大統領が登場したということです。
もうおわかりでしょう。長らく続いた安定した時代は終わったと考えるべきです。今後は自然界はもちろんのこと、政治、経済、外交の全てが一変しても不思議はありません。
幕末の庶民はあまりに急激な変化に耐えきれず、「ええじゃないか」と叫んで三日三晩踊り狂ったと言います。これまでは、なぜそんな集団ヒステリー状態が起きたのか理解できませんでした。でも最近は、そのうち現代の日本でも同じ現象が起きるのではないか、そんな気がしてなりません。
Powered by リゾーム?